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2024.11.11

プレスリリース

前代未聞の出版業界横断プロジェクト「Book Fair Championship(BFC)」の記者発表会が開催されました

書店と出版社、さらに作家までが一体となり、プロジェクトに込めた想いを語りました

書店と出版社が協力し、日本で一番面白い書店フェアの企画を競い合う「Book Fair Championship(ブックフェアチャンピオンシップ 以下、BFC)」。「本の日」である11月1日に六本木 蔦屋書店で開催された、本プロジェクトの幕開けとなる記者発表会の様子をお届けします。

ハイライト:

  • BFC実行委員長・北田博充氏がBFCの主な目的を「ユニークなフェアの発信、情報共有、書店への来店促進」の3つに分けて説明
  • BFCの審判員に芥川賞作家の滝口悠生氏らが就任し、BFC初代チャンピオンベルト贈呈式に新日本プロレスの棚橋弘至選手が登壇することを発表
  • 日本紙パルプ商事の筌口康史氏が書店員を支援するために協賛を決定し、BFCに対する熱い期待を表明
  • ライツ社の高野翔氏、NICリテールズの野上由人氏、クロスメディア・パブリッシングの岡田基生が協賛企業の担当者のトークセッションに参加
  • 尾崎世界観氏がBFCに対する期待を語り、書店員が競い合うことがモチベーションを高めることにつながるとコメント

前代未聞の出版業界横断プロジェクト

全国の書店員がチャンピオンベルトと初代王座をかけて競い合うBFCは、書店フェアの募集とクラウドファンディングの開始を記念した記者発表会を、11/1(金)、六本木 蔦屋書店(東京都港区)にて開催しました(BFC公式サイト:https://book-fair-championship.com/)。

実行委員のメンバーと共に豪華ゲストが登壇し、本プロジェクトの意義を様々な視点からお伝えする発表会となりました。

Book Fair Championship(BFC)について:

BFCは、全国の書店員が日本一面白い書店フェアの企画を競い合い、初代チャンピオンにはベルトと賞金30万円が贈られるという出版業界横断プロジェクト。書店は、蔦屋書店、丸善ジュンク堂書店、正和堂書店などが参画。出版社はライツ社、クロスメディア・パブリッシング、パイ インターナショナルが参画し、ほかにも多くの出版社から協賛を得ています。

実行委員長は「梅田 蔦屋書店」の店長であり、ひとり出版社「書肆汽水域」としても活動する北田博充氏。「自分たち出版業界の未来は自分たちで変えていく」という思いから、この企画を立ち上げました。
<主催>BFC実行委員会
<共催>日本紙パルプ商事、BOOK MEETS NEXT
<協力>ブックセラーズ&カンパニー


日本一面白い書店フェアの企画を募集!

「書店員にスポットライトを当てたいという思いとともに、書店へ足を運んでくださるお客様を1人でも多く増やしたい」(MC・中村優子氏)

イベントの冒頭では、MCを務める中村優子氏がこのプロジェクトの意義と目的を紹介しました。

MC・中村優子氏

「日本で一番面白い書店フェアの企画をチャンピオンベルトと初代王座を懸けて競い合う」というユニークなコンセプトは、全国の書店員たちが自らのアイデアを持ち寄り、創造力を発揮する場を提供するもの。

今回のプレイベントでは、各メディア関係者を招待し、実行委員会の思いや考えを広く発信することが目的だと強調しました。「書店員にスポットライトを当て、多くのお客様に書店に足を運んでいただきたい」という思いを語り、参加者に協力を呼びかけました。

目指すは出版業界の「M-1グランプリ」

「書店員である自分がこの企画をまず実行することで、自分たち出版業界の未来を変えていきたい」(BFC実行委員長・北田博充氏)

続いて、BFC実行委員長の北田博充氏が登壇し、プロジェクトへの熱意や書店員の重要性について語りました。

BFC実行委員長・北田博充氏

北田氏は、今回の企画について「どういう本を買いたいかよりも、誰から本を買いたいかというのが焦点。書店員、その人自身がどう企画するかという書店員の個性に注目している」と述べました。

BFCを実施する背景として、書店数の減少や読書人口の減少、出版不況に言及。そうしたネガティブなニュースが多い状況では若い人材が集まりにくいという現状に触れ、業界全体が廃れてしまう危険性を指摘しました。また、北田氏は「書店員という奥深くて魅力的な仕事にスポットライトを当て、広く発信していくことが重要」と強調。「書店の売り場自体を面白いものにし、多くのお客様に来ていただきたい」と続けました。

書店の売り上げが下がっていることを環境だけを要因に考えていても現状を打開することはできません。北田氏は「書店員である自分がこの企画をまず実行することで、自分たち出版業界の未来を変えていきたい」と力強く語りました。

BFCの主な目的は3つ。

1つ目は、全国の書店で実施されているユニークなフェアを広く世に発信することです。SNS全盛の時代ですが、書店員の発信はフォロワーにしか届かないという課題があります。そこで、BFCにエントリーされたフェアを公式ホームページに写真付きで紹介することで、より多くの方に情報を届け、来店してくれる仕組みを作ります。

2つ目は、書店の垣根を越えてフェアの情報を共有し合うこと。現時点では社内でのナレッジ共有のみとなっています。業界全体で共有できるようにすることも今回の狙いだと語りました。

3つ目は、ユニークなフェアを展開する書店に足を運んでいただくこと。11月1日からエントリーを開始し、1次選考で1月中旬にベストテンを発表します。その後、3名の審判員で初代チャンピオンを決定。さらに防衛戦は年2回行われ、初代チャンピオンは新しい企画を生む必要があります。

BFCは多くの書店や出版社が協賛する出版業界横断プロジェクトであることが特長です。さらに、審判員には芥川賞作家の滝口悠生さん、文芸評論家の三宅香帆さん、書店主の久禮亮太さんを招いています。

また、作家の北方鎌三氏からのエールのメッセージを頂いたことを明かし、「思わぬ効果も、出てくるかもしれない。」というコメントも紹介しました。

チャンピオンに贈呈されるチャンピオンベルト

続いて北田氏は、BFCの展望を語りました。漫才コンテストのM-1グランプリを例に挙げ、「漫才の競技人口が増える➡漫才のクオリティが上がる➡漫才のファンが増え、芸人を目指す人が増える」と同グランプリの功績を語りました。この流れと同じように、BFCの設立によって「エントリーする書店が増える➡フェア企画のクオリティが上がる➡全国の書店に足を運ぶ人が増え、書店員のモチベーションも上がる」仕組みを作っていきたいと話しました。

さらに、北田氏はチャンピオンベルトについて紹介しました。スペシャルプレゼンターは新日本プロレスリング株式会社代表取締役社長兼選手の棚橋弘至氏。「今回、BFC初代王者チャンピオンベルト贈呈式に参加させていただきます。本から得られる栄養素は、他の何ものとも違います。その素晴らしさを伝え続ける皆さんに感謝します」との同氏からのメッセージを読み上げました。

新日本プロレスリング株式会社 代表取締役社長 兼 選手 棚橋弘至氏 ©新日本プロレス

最後にまとめとして、「書店の売り場がより魅力的になり、フェアを目がけて来店するお客様が増えること、エントリー数を増やすこと、そして継続開催が重要です」と話しました。「ゆくゆくはM-1グランプリのような大きな企画に育てたいと思っています」と強調し、クラウドファンディングへの協力を呼びかけました。

紙文化の発展へ。紙の専門商社も期待大

「紙の機能や価値の普及が、紙の専門商社である同社のビジョンに沿ったものだった。熱い戦いが繰り広げられることにわくわくしながらしっかり応援したい」(日本紙パルプ商事 上席執行役員、新聞・出版営業本部 本部長・筌口 康史氏)

 

日本紙パルプ商事 上席執行役員、新聞・出版営業本部 本部長・筌口 康史氏

次に、日本紙パルプ商事の筌口康史氏が登壇し、協賛企業を代表して挨拶。第1回ブックフェアチャンピオンシップが無事に始まったことを祝福しました。

筌口氏は協賛を決めた理由として、北田実行委員長の熱い思いに触れたことを挙げました。また、紙の機能や価値の普及が、紙の専門商社である同社のビジョンに沿ったものであったからだと語りました。

書店員に焦点を当てたフェアを通して、読者に多くの本を届けようと努力を重ねる書店員の支援をしたいとの思いも話しました。

締めくくりに、「多くの書店員様のご参加を楽しみにしております。そして、立派なチャンピオンベルトと初代チャンピオンを目指して熱い戦いが繰り広げられることを、わくわくしながらしっかり応援させていただきたいと思います」とBFCへの期待を寄せました。チャンピオンシップがシンボリックな存在となって続いていくこと、書店に足を運ぶ読者が一人でも多くなることを祈念し、挨拶を終えました。

全国の書店員へ伝えたいこと「本だけじゃなく自分を推そう!」

「本屋の価値を世に知らしめるための企画。書店員の背中を押してあげてほしい」(NICリテールズ株式会社 野上由人氏)

「9割以上の書店員が好意的に受け止めてくださった。気軽に楽しんでほしい」(株式会社ライツ社 高野翔氏)

「週末書店員には可能性がある。書店員の裾野を広げることが大事」(株式会社クロスメディア・パブリッシング 岡田基生)

続いては、実行委員会メンバーによるトークタイム。さまざまな出版社が協賛しているBFCの目的について、まず「企業の垣根を越えて本企画を盛り上げていくためにはどうすればよいか」というテーマで北田氏、ライツ社の高野翔氏、NICリテールズの野上由人氏、クロスメディア・パブリッシングの岡田基生が語り合いました。

左からNICリテールズの野上由人氏、ライツ社の高野翔氏、クロスメディア・パブリッシングの岡田基生

ライツ社の高野氏は、1番大事なのは、より多くの書店員が参加することだと述べました。「気軽に楽しんでほしい」と書店員へ参加を呼びかけました。

北田氏は、「初回から企画を盛り上げていくのは難しい」と認識し、過去のイベントとの比較を行いました。M-1グランプリの初回について触れ、「エントリー数が多かったわけではなかった」と振り返りました。さらに、書店員が競い合うことにより、「書店の魅力や面白さが多様化すれば、書店に行ってみようと思う人が増えるかもしれない」と期待を寄せました。

出版社の営業が果たす役割については、クロスメディア・パブリッシングの岡田が、自身の書店員としての経験を語り、「出版社の営業さんと一緒に作っていこうという気持ちがある」と述べ、関係性の重要性を強調しました。

北田氏は、クラウドファンディングによる資金調達の重要性について岡田氏に質問しました。岡田は、「クラウドファンディングはお金を集める場所ではなく、関わっていただく場所だと思っている」と語り、参加者に対して審査の機会を提供することで、「フェアの深さを体験していただくことが大事」と強調しました。

高野氏は、書店員への声かけについて述べ、「最初は渋い反応かなと思ったが、全国津々浦々の書店にご案内し、9割以上の方が好意的に受け止めてくださった」と報告しました。特に地方の書店員の主体的な意欲を感じたと述べました。

北田氏は、書店員の多様な仕事について、野上氏に意見を求めました。野上氏は、自身の経験から、「本屋の棚は全部フェアだと思って作れと言われた」と振り返り、書店員が「フェア」と銘打たれていない通常の棚づくりでも、フェアと同じように「知を編集する力」を発揮しうることを指摘しました。そして、ブックフェアの中には、さまざまなジャンルの本を組み合わせていく、越境的な側面がある、と語りました。

岡田は、書店員が憧れの職業になるためには、業界のデジタル化や収益構造の改善が必要だと語り、「書店員の裾野を広げることが大事」とも述べました。「週末書店員」のような新たな形態の書店員が、書店の魅力を広げる可能性があると考えています。

野上氏は、書店員へのメッセージとして、「本の価値の総和に還元されない本屋の価値」が重要だと強調し、ブックフェアチャンピオンシップがその価値を顕在化させるきっかけとなることを期待しました。また、クラウドファンディングの支援についても触れ、「本屋の価値を世に知らしめるための企画だ」と説明しました。

北田氏は、参加者に感謝の気持ちを伝え、協賛企業のトークセッションを終了しました。

子供の頃から変わらない書店の安心感。「競い合うことの面白さ」が加わるのが楽しみ

「書店のフェアは人を動かすものだと思います。競い合うことはモチベーションにもなる」(クリープハイプ ボーカル、ギター/作家 尾崎世界観氏)

今回の発表会の後半には特別ゲストに尾崎世界観氏を迎え、BFCの取り組みや書店、本への熱い思いを語っていただきました。

尾崎氏はBFCに対して「本当に面白そうだと思った」と率直な感想を述べ、自身も著書があることから書店に推される本に興味があると話しました。「コンテスト形式で行う発想がなかった」と、新しい試みへの期待を語りました。

北田氏(左)と語る尾崎世界観氏

書店員に公的に評価される機会がありません。それに対し、尾崎氏は、競い合うことがモチベーションになるとしつつ、書店の持つ平和なイメージを挙げ、「その中に情熱があるのを感じた」と述べました。

チャンピオンベルトと共に北田氏(左)、尾崎氏(中央)、筌口氏(右)

<尾崎世界観氏コメント>
この企画内容をはじめて聞いた時、とても面白そうだなと思いました。自分も本を書いて出しているので、自分の本が少しでも目立つ場所に置かれてほしいと思っていますが、それをチャンピオンシップ形式でやるという発想があったんだと。みんなで手を取り合うのも大事だけれど、競い合うことはモチベーションにもなるし、負けたくないと思ってやるのも大事だと思います。情熱をもって好きな本をどんどん推していく為の、すごくいい企画だと思います。

自分にとって書店はいつも変わらずそこにあるもの。いま自分が元気なんだ、落ち込んでいるんだ、と敏感に感じられる場所です。

書店員さんと一緒に新刊発売時のフェアに携わった時、普段自分が知らないはずの売り場の向こう側が垣間見えて、書店はなじみある場所であると同時に、未知の場所でもあるなと思いました。この企画はきっと続いていくので、ぜひ1回目からエントリーして頂きたいです!

<北田氏コメント>

作家さんだと芥川賞や直木賞など公的に評価される機会がありますし、出版社さんもそうです。ただ書店員は公的に評価されることがありません。BFCは、全国の書店員がフェアにエントリーをして初代チャンピオンを決めるものです。書店員の方は控えめな方が多いですが、誰がチャンピオンになるか引き続き注目をしてほしいです。

チャンピオンを決める選考委員の滝口悠生さんは小説家でもありますし、スタンダードブックストアの書店員さんと合同でフェアを実施されていらっしゃいます。同じように尾崎世界観さんも、紀伊國屋書店 横浜店で書店員さんと共同でフェアをされていらっしゃいます。そういった尾崎さんのような方に今回登壇をしていただき、とても嬉しく思っています。

2月下旬には初代チャンピオンが決まるこの企画。尾崎氏の言葉を胸に、全国の書店員たちが新たな挑戦に立ち向かう姿が目に浮かびます。

出版業界の横断プロジェクトであるBFCは、書店員たちが自らのアイデアを競い合うことで、書店の魅力を再発見し、読書文化の振興に繋がるために立ち上げられました。今回の記者発表会では、様々な視点からプロジェクトの意義を伝えるものとなりました。BFCの詳細については下記もご覧ください。

<スケジュール>

・2024年11月1日(金):第1回エントリー開始(正午)、クラウドファンディング開始

・2024年12月22日(日):第1回エントリー〆切

・2025年1月中旬:ベスト10発表(BFC公式サイトおよびBFC公式Xにて)

・2025年3月3日(月):初代チャンピオン発表および贈呈式

<参加資格>

①書店員の参加条件

・日本国内の書店で勤務する書店員もしくは書店主であること。

・勤務歴、雇用形態(社員、アルバイト)は問わず、書店で働いていること。

・勤務する書店の許可を得ていること。

②フェア企画のエントリー条件

・申請者本人が直近6ヶ月以内に企画、実施したフェア。

 ※ただし、初代チャンピオン決定戦のみ、直近3年間に企画、実施したフェアとする。

・フェアのテーマ、ジャンル、展開場所(平台・棚)、展開規模(展開スペースの大小)は自由。

・エントリーは1シーズンにつき1フェアまで。

エントリーに必要な項目は「エントリーページ」をご参照ください。

<エントリー期間>

・2024年11月1日(金)正午~12月22日(日)23時59分

・第1回エントリーページ:https://eventmanager-plus.jp/get/bdee3c7eb594abae59b15ff555b0e48892d66127eb9ccbff2c1f182e5128d1ed

<第2回以降(防衛戦)について>

年に2回 チャンピオンベルトの防衛戦を実施します。

【本プレスリリース配信元】クロスメディアグループについて

クロスメディアグループは、創業19年目の出版社を母体とするビジネスコンテンツ・メディア企業。「あらゆるメディアを通じて人と企業の成長に寄与する事業を行い、社会に新しい価値を提供する」をビジョンに掲げ、現在は、出版・マーケティング・デザイン・アクティブヘルスの4つの事業を展開している。

【会社概要】

社名:クロスメディアグループ株式会社

本社所在地:〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-20-3 東栄神宮外苑ビル

代表取締役:小早川幸一郎

事業内容: 出版事業・マーケティング支援事業・デザイン事業・アクティブヘルス事業

設立:2005年10月

公式HP: https://cm-group.jp


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